スペイン生産者の紹介と日本食材輸出の提案先のご提案
~日本とスペインの懸け橋となるための施策~
SOAソリューションズ有限会社
和酒バル KIRAZ / ブエナ ビスタ トーキョー 様
スペイン生産者の紹介と日本食材輸出の提案先のご提案
時期: 2013年
当初の課題
- スペイン食材取引先が見つからない
- 日本食材をスペインに輸出する卸先が見つからない
- スペイン現地でのイベント開催の段取りが容易ではない
1ステップ1
2010年に日本酒とスペイン料理のお店「和酒バルKIRAZ」を開店。スペイン食材を使っていたが、自分に合った食材が見つからず、直節現地の生産者とのつながりを探していたところ、RIMMの野田社長から日西会議所主催のVinalitur2013を紹介いただき、直接生産者と話をする機会を得た。2013年秋には、スペイン現地に向かい、生産者の農家を見学させていただいたが、その時にRIMMの現地パートナーに通訳やアテンドなどをしていただいた。
2ステップ2
弊社の事業である日本酒、日本酒食材の輸出を検討するにあたり、スペイン現地の日本食材輸入卸会社や日本食の飲食店などを紹介いただいた。またレストランやホテルのソムリエも紹介いただき、日本酒のテイスティングもお願いすることができた。
3ステップ3
2016年9月及び2017年3月に、農林水産省の委託事業として世界に美食都市として名高いスペインのサン・セバスチャンにおいて「Taste of Japan in San Sebastian」を支援企業の1社として実施、開催。現地の宿泊先や生活支援についてRIMM&現地パートナーにご支援いただく。また、INSEADの学生主催による日本酒イベントの際には、店舗の紹介や日本酒の運搬支援などを行っていただいた。
お客様インタビュー
山川 秀之様
MBA、国際唎酒師、公益財団法人日本醸造協会公認唎酒マイスター
大学卒業後建設会社に入社。建築工務部門、情報システム部門を経て早稲田大学ビジネススクールへ。専攻はマーケティング・マネジメント。
修了後2005年にSOAソリューションズ有限会社を設立。主な事業は、企業研修・コンサルティング事業、飲食事業(2店舗)、輸出入事業などを展開中。
はじめに、どうしてどんなコンセプトで「和酒バル KIRAZ」というお店を立ち上げられたのですか?
2010年のオープン当初、日本酒市場は縮小の一途をたどっていました。当時「日本酒は和食と楽しむもの」という既成概念があり、それを崩し、新市場を広げることによる日本酒の消費拡大を目的として、「日本酒×洋食」というコンセプトを掲げました。
オープン前にオーナーシェフである馬宮加奈が市場調査のため、ヨーロッパ(主にスペイン、イタリア、フランス)を数ヶ月旅しました。その際にスペイン料理と日本酒の相性の良さを感じ、「スペイン料理×日本酒」というコンセプトでお店を始めました。スペン料理は、日本だとパエリアかアヒージョしか知られていないと思いますが、実は地域ごとに食文化が異なり、奥深い食文化が存在しています。
どのようなタイミング、目的でスペインへ行かれることにしたのでしょうか?また場所はどちらへ?
主な目的は2つありました。1つはスペイン食材の発見、もう一つは日本酒輸出を行うための市場調査でした。食材の発見としては、生産者に直接お会いして、生産者のこだわりや想いを直接お聞きするために伺いました。コロナ禍以前は毎年秋頃に、輸入先であるオリーブオイルの生産者の元を訪れ、搾りたてのオリーブを試飲して買い付けに行っていました。日本酒輸出については、現地の卸業者やホテルレストランのソムリエの方々へ日本酒のテイスティングをお願いし、ヒアリングを行っています。場所はこの10年でかなり回らせていただきました。主な場所としては、マドリッド、バルセロナ、サンセバスチャン、リオハ、バレンシア、ガリシアなどです。
その際、RIMMのネットワークはどのようにお役に立ちましたか?
スペイン訪問の際に、通訳をアテンドしていただきました。また、生産者の選定やご紹介など、取引を始めるにあたっての重要な役割のご支援をいただきました。また、日本酒の市場調査などを行った際には、現地の学生(INSEADの日本酒同好会)のイベントへの参加や日本酒の輸出の際の支援なども行っていただきました。
逆に、現地視察時やスペインとのビジネスで、これまでに困ったことはありますか。ご経験をふまえて、どんな注意が必要だと思いますか?
現地の方と直接お会いできるのはとても良い機会ですが、日本のビジネス感覚でお付き合いをするとギャップを感じることが多々あります。特に「時間の感覚の違い」を感じました。個人差はあると思いますが、少し時間に緩い感じがしましたので、余裕を持ったスケジュール管理が必要だと思います。また、日本から商材を発送した際に、現地の空港までは届くのですが、そこから破損や紛失が多発することです。発送の際には、コストだけではなく、信頼できる物流会社を選定することが必要だと思います。
その後の事業にもお役に立ってますか?
はい。コロナ禍においても現地の生産者の情報やスペインのホットな情報をいただけるのは、RIMMとの出会いのお陰です。一時期輸入がスムーズにいかないことがありましたが、現在はオンタイムでコミュニケーションが取れています。現在も弊社のメイン商品であるオリーブオイルの輸入やこれから進めていく輸入食材の選定なども随時ご相談させていただき、攻めの営業ができそうです。
2020年はすべての飲食業にとって大変な1年となりました。今後、両店舗をどのようにしていきたいですか?もしあればお聞かせください。 プランを共有いただきながら、必要に応じて様々なご支援を(ワンストップで)させていただくスタイルについて、いかがですか?メリット・デメリットがあれば教えてください。
10年前にスタートした和酒バルKIRAZは、日本酒の普及、ブエナビスタトーキョーは、日本酒もワインも一緒の楽しめる環境を作るために活動をしていました。これからも基本コンセプトは大きく変わることはないと思いますが、今後1年は川上で大変苦労されている国内外の生産者を支援すべく、生産者のPRの場として活用いただけるような店舗にしていこうと考えています。
~ 山川さま、ご協力ありがとうございました!~
お店の公式サイト:
和酒バルKIRAZ:https://www.kirazu.net
ブエナビスタトーキョー:https://www.buenavista.tokyo